


お好み焼き・鉄板焼き居酒屋KURIYA お好み焼きhttps://tenposstar.com/ja/merchant/664c078fd3d2a
日本を訪れる外国人にとって、「お好み焼き」は、寿司やラーメンと並ぶ人気グルメの一つです。このソウルフードは、キャベツや豚肉などを混ぜて焼く、シンプルでありながら奥深い料理です。しかし、実は日本には大きく分けて二つの「お好み焼き」が存在することをご存知でしょうか? それが、「関西風(かんさいふう)」と「広島風(ひろしまふう)」です。
見た目も、作り方も、そして何より食感も全く異なるこの二つのお好み焼きは、それぞれの地域の文化と歴史を映す鏡のような存在です。
この記事では、特にユニークな構造を持つ広島風お好み焼きに焦点を当て、関西風との決定的な違いを解説します。そして、広島の街全体に広がる「お好み焼き文化」の魅力を深く探っていきましょう。
関西風と広島風。両方とも「お好み焼き」と名がついていますが、その調理法は根本的に異なります。
関西風:みんなで混ぜて「一体感」

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関西(主に大阪)のお好み焼きは、すべての具材を最初から混ぜて焼くのが特徴です。

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具材: キャベツ、卵、天かす(揚げ玉)、豚肉などの具材を、小麦粉を溶いた生地にすべて入れて、豪快に混ぜ合わせます。
焼き方: この生地を丸く鉄板の上に流し、両面をひっくり返しながら焼きます。
食感: 出来上がりは、パンケーキのようにふっくらとしていて、具材と生地が一体となった「フワフワ」な食感が楽しめます。
関西風は、家族や友人たちが一緒に具材を混ぜ、「どれも私のお好み」という一体感を味わう、社交的な料理と言えるでしょう。
広島風:層を重ねて「ミルフィーユ」

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一方、広島風お好み焼きは、具材を混ぜずに、すべて「重ねて」焼いていきます。この「層構造」こそが、広島風の最大の魅力であり、技術が必要な点です。
クレープ生地: まず、薄くクレープのような生地を鉄板の上に広げます。
具材の山: その上に、驚くほどの大量のキャベツを乗せます。豚肉やもやしを重ねるのも特徴です。
蒸し焼き: 蓋や水を一切使わず、キャベツが自身の水分で蒸し焼きにされるのが広島の流儀です。
麺の追加: 途中で、別に炒めた*華麺(またはうどん)を麺を一緒に重ね合わせます。これが入ることで、広島風は「お好み焼き」というよりも、一つの完璧な「食事」としてのボリュームと満足感を得ます。
卵で包む: 最後に、薄く焼いた卵の上に乗せ、全体を包んで完成です。 広島風は、層の間にキャベツの甘みや麺の香ばしさ、卵の優しさが閉じ込められた、「層を楽しむ料理」なのです。

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広島風お好み焼きの味を決める二つの重要な要素が、「キャベツ」と「麺」です。
キャベツの甘み
広島風のお好み焼きは、関西風と比べて何倍ものキャベツを使います。高温の鉄板でじっくりと蒸し焼きにされることで、キャベツの水分が抜け、驚くほどの甘み(あまみ)が凝縮されます。このキャベツの甘さが、ソースの辛さや豚肉の旨味と絶妙に調和し、広島風の深みのある味わいを作り出します。
麺の存在感
麺が入ることで、広島風は「お好み焼き+焼きそば(または焼きうどん)」という、二つの料理の美味しさを一度に味わえるユニークな料理になります。多くの店では、注文を受けてから麺を鉄板でパリッと炒め、香ばしさを引き出します。この「パリパリ」または「モチモチ」に仕上げた麺の食感が、広島風の醍醐味です。

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関西風のお好み焼きは、ごはんや白米と一緒に食べることがあまり一般的ではありません。しかし、広島ではお好み焼きは完全な「主食」であり、定食としてごはんと一緒に食べられることも珍しくありません。 これは、戦後の物資が不足していた時代に、安くて栄養価が高く、腹持ちの良いお好み焼きが、人々の生活を支える大切な食べ物だったという歴史的背景があるからです。広島風お好み焼きは、単なるB級グルメではなく、広島の復興を支えてきたソウルフードなのです。
広島で美味しいお好み焼きを食べるなら、ぜひ訪れてほしい二大スポットがあります。
お好み村(お好みむら)
広島市内の中心部にある複合施設です。ビルのフロア内に、20軒以上の小さな店がひしめき合っています。それぞれの店が独自の焼き方やトッピングの工夫をしており、まさに「お好み焼きのテーマパーク」のようです。色々な店の匂いが混ざり合い、鉄板の焼ける音を聞きながら食べるお好み焼きは、広島ならではの活気ある体験です。
お好み共和国(おこのみきょうわこく)
こちらも「お好み村」と並ぶ有名スポットで、複数の店舗が集まっています。お店ごとに麺の種類、ソースの味、キャベツのカット方法などに個性があり、食べ比べが楽しい場所です。お店の人との距離が近く、焼いている様子を間近で見られるのも魅力です。 食べ比べのポイント
広島でお好み焼きを食べる際は、以下の違いに注目して食べ比べてみましょう。
麺の種類: 麺を「そば(中華麺)」にするか「うどん」にするか。
麺の焼き方: 麺を「パリパリ」に焼くか、「モチモチ」に焼くか。
トッピング: ネギ、イカ天、牡蠣(かき)など、地域特有のトッピングを試してみる。特に牡蠣(かき)は広島の名産で、お好み焼きと相性抜群です。
東京から広島県へアクセスする場合には、新幹線がおすすめです。「東京駅」から「広島駅」に直行する「のぞみ」に乗れば、約4時間でアクセスすることができます。 大阪から広島県へアクセスする場合には、高速バスがおすすめです。新幹線より時間がかかりますが、費用を抑えてアクセスすることができます。所要時間は約5時間です。
広島県の位置

広島風お好み焼きは、単に関西風と作り方が違うだけでなく、その一つ一つの「層」に、歴史、工夫、そして地域の人々の愛情が詰まっています。 関西風の「混ぜて一体となる」楽しさに対し、広島風は「重ねて深みを増す」繊細さがあります。この二つのお好み焼きの違いは、日本の多様な地域文化と、食への深いこだわりを私たちに教えてくれます。 あなたが日本を訪れた際は、ぜひ広島と関西の両方で「お好み焼き」を体験し、その奥深さと、地域ごとの食文化の魅力に触れてみてください。そして、広島で食べる際は、目の前で職人が一つ一つ丁寧に層を重ねていく様子を眺めながら、その特別な味を心ゆくまで味わってください。
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