


日本には数多くの美味しい食材がありますが、その頂点に立つのが「和牛(わぎゅう)」です。きめ細やかな霜降りと、口の中でとろけるような食感、そして芳醇な香りは、世界中の美食家を魅了し続けています。
その和牛の中でも、特に品質が高いとされるのが「日本三大和牛」です。一般的に、松阪牛(まつさかぎゅう)、神戸牛(こうべぎゅう)、そして今回ご紹介する「近江牛(おうみぎゅう)」の三つがそう呼ばれています。
近江牛は、その歴史の長さと繊細な味わいから、しばしば「幻の和牛」とも称されます。この記事では、近江牛が育まれる地、滋賀県(しがけんを訪れ、その歴史的な背景と、本場で味わう「極上焼肉」の体験を通して、日本の奥深い食文化の魅力をお伝えします。
近江牛は、滋賀県内で長く飼育されてきた黒毛和牛のことで、そのルーツは四百年以上前の安土桃山時代にまで遡ります。
日本で最も古いブランド牛
近江牛の歴史は、三大和牛の中で最も古いと言われています。戦国時代から江戸時代にかけて、滋賀県(当時の近江国)は交通の要衝であり、近江商人たちが全国各地を行き交っていました。彼らは、薬用として滋養強壮に良いとされる近江の牛肉を味噌漬けにし、将軍家へ献上していた記録が残っています。
江戸時代、日本では仏教の影響で肉食が禁じられていましたが、近江牛は「薬」として特別に扱われ、秘かに食されていたのです。この長い歴史と、将軍家への献上という背景が、近江牛の格式高いブランドを築き上げました。
美味しさの秘密:琵琶湖と自然環境
滋賀県には、日本最大の湖である琵琶湖(びわこ)があります。この豊かな水源と、湖を取り囲む自然が、近江牛の品質を支えています。
清らかな水: 琵琶湖の水は、牛たちの飲み水となり、健やかな成長を助けます。
恵まれた環境: 滋賀県の穏やかな気候と豊かな大地で育つことで、ストレスなくのびのびと育ちます。
きめ細やかな肉質: 近江牛は、他の和牛と比べても特に肉の繊維がきめ細かく、融点が低い(低い温度で脂が溶け出す)のが特徴です。このため、口に入れた瞬間にとろけるような食感と、サラリとした上品な脂の甘さが広がり、しつこさがありません。

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近江牛を最も美味しく味わう方法の一つが「焼肉(やきにく)」です。本場滋賀県の専門店で焼肉を食べることは、単なる食事ではなく、五感を刺激する特別な体験です。
鉄板の上の芸術
焼肉の醍醐味は、新鮮で美しい肉を、自分自身の手で最高の状態に焼き上げることです。
• 色と霜降り: 運ばれてきた近江牛は、鮮やかな赤身の中に雪のように白い脂が細かく入った「霜降り」の美しさに目を奪われます。このアートのような見た目こそが、高品質な和牛の証です。
• 音と香り: 熱した網の上に肉を置くと、「ジュウッ」という音が響き渡り、香ばしい肉の香りが立ち昇ります。この香りこそが、食欲を最大限に刺激します。
• 瞬間芸術: 近江牛の脂は融点が低いため、焼きすぎるとせっかくの繊細な旨味が逃げてしまいます。表面を軽く焼き、中の脂が溶け出した絶妙なタイミングで口に運ぶのが、最高の味わい方です。
焼肉店のこだわり
滋賀県の名店では、近江牛の魅力を最大限に引き出すために、様々な工夫を凝らしています。
部位の多様性: ロース、カルビ、ヒレといった定番だけでなく、日本では「希少部位(きしょうぶい)」と呼ばれる、一頭の牛からわずかしか取れない特別な部位(ミスジ、トモサンカクなど)を提供している店が多いです。それぞれの部位で異なる食感や風味を楽しむことができます。
「タレ」の文化: 焼肉は、肉の味だけでなく、タレの味も重要です。日本では、肉本来の味を楽しむためのシンプルな塩やわさび、あるいは、日本の醤油や味噌、果物などで作られた秘伝のタレを用意している店がほとんどです。タレは、肉の旨味をさらに引き立て、ご飯が進む味付けになっています。
3. 近江牛を味わうその他の方法 焼肉以外にも、近江牛の多様な味わい方があります。滋賀を旅するなら、ぜひこれらの料理も試してみてください。
すき焼き・しゃぶしゃぶ

近江牛の繊細な脂は、日本の伝統的な鍋料理である「すき焼き」や「しゃぶしゃぶ」に最適です。 • すき焼き: 割り下(醤油、砂糖などで作った甘辛いタレ)で肉をさっと煮込み、生卵に絡めて食べます。近江牛の脂が溶け出し、割り下に深みを与え、野菜にも旨味が染み込みます。
• しゃぶしゃぶ: 昆布だしなどの熱い出汁に、薄切り肉を数秒くぐらせて、ポン酢やごまだれで食べます。肉の脂が落ちてさっぱりと食べられ、近江牛の上品な甘みを存分に楽しめます。
牛丼・近江牛ステーキ

地元の定食屋や専門店では、近江牛を使った手軽なメニューも楽しめます。
• 近江牛丼: 通常の牛丼とは一線を画す、近江牛の旨味が凝縮された贅沢な牛丼です。 • ステーキ: 近江牛の肉質の良さは、厚切りステーキにしても格別です。肉の繊維の細かさが感じられ、噛むほどに旨味が溢れ出します。
近江牛は、滋賀県の豊かな食文化のほんの一部です。滋賀の魅力は、美しい琵琶湖と、その恵みを活かした食にあります。 滋賀県は、京都にも近く、古くから文化や商売が発展した地域です。近江商人の「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」の精神は、現代の日本のビジネスにも影響を与えています。 近江牛を堪能した後は、琵琶湖の雄大な景色を眺めたり、湖畔の静かな街並みを散策したりすることで、肉が育まれた美しい自然環境と、歴史的な背景を感じることができます。
滋賀県以外の「近江牛」が」味わえるお店をいくつかご紹介します。
牛処 慶 近江牛を堪能できる特選コースhttps://tenposstar.com/ja/merchant/6625da8358068

焼肉ホルモン すだく 新潟駅南店 厳選近江牛カルビhttps://tenposstar.com/ja/merchant/6530b9d935a2f

立ち呑み食堂Reばーす 近江牛シリーズ(近江牛ローストビーフ)https://tenposstar.com/ja/merchant/6752889f59284

滋賀県の位置

日本三大和牛の一つである近江牛は、四百年以上の歴史と、琵琶湖の豊かな自然に育まれた、日本が誇るべき食の芸術品です。 滋賀県を訪れ、鉄板の上で輝く美しい霜降り、鼻腔をくすぐる香ばしい香り、そして口の中で優しく溶ける食感を体験することは、日本の食文化の奥深さと、日本人ならではの繊細な「おもてなし」の精神を理解することに繋がります。 ぜひ近江牛の「極上焼肉」を通して、歴史と自然が育んだ最高の日本の味を堪能してみてください。
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