ひたち海浜公園を染めるコキア!と茨城の秋

茨城県投稿日:2025/10/31

ひたち海浜公園を染めるコキア!と茨城の秋

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皆さん、日本の秋と言えば、多くの方が京都の紅葉を思い浮かべるかもしれません。しかし、もし、山や森ではなく、広大な丘一面が、まるで誰かが絵の具をぶちまけたかのように鮮烈な「真紅(しんく)の絨毯(じゅうたん)」に染まる景色があったとしたら、どうでしょうか?

それが、日本の首都・東京から少し東に位置する茨城県にある、国営ひたち海浜公園(こくえいひたちかいひんこうえん)の秋の風物詩です。

この記事では、訪れる旅人の視覚を刺激するコキアの絶景、そして、豊かな茨城の海と大地が育んだ秋の食文化、隠れた歴史の魅力をご紹介します。日本の旅の概念が変わる、驚きと感動の秋の体験をご紹介します。

丘一面が真紅に染まる:コキアの絶景アート

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国営ひたち海浜公園は、太平洋(たいへいよう)に面した広大な敷地を持つ国立の公園です。春のネモフィラで世界的に有名ですが、秋になると、その主役は丸い草花「コキア」に交代します。

コキアが描く「みはらしの丘」の色彩

コキアは、別名「ほうき草(ほうきぐさ)」とも呼ばれる植物で、夏は鮮やかな緑色をしています。しかし、秋の訪れとともに、その色は劇的に変化します。

  • 9月下旬: コキアは、緑色から赤色へと変わるグラデーションの時期を迎え、緑と赤が混ざり合う、不思議で美しい風景を作り出します。

  • 10月中旬~下旬(ベストシーズン): 約3万2千株のコキアが一斉に真っ赤に色づき、公園内にある「みはらしの丘」全体を、まるで燃えるような真紅の絨毯に変えます。その姿は、息をのむほど鮮やかで、異次元の世界にいるような感覚に包まれます。

10月下旬~11月上旬(黄金のコキア): 真っ赤な紅葉のピークを過ぎると、今度は色が抜け始め、赤みがかった茶色から黄金色へと変化していきます。西日を浴びてキラキラと輝くその姿は、趣のある「黄金(こがね)コキア」と呼ばれ、秋の深まりを静かに告げます。

  • 青い空とのコントラスト: 丘の上から見下ろす真っ赤なコキアの絨毯と、その先に広がる青い太平洋、そして広がる青空のコントラストは、写真家たちが世界中から集まるほどの「奇跡の絶景」です。

コキアとコスモスの共演

「みはらしの丘」の麓(ふもと)や、公園の別のエリアでは、コキアとほぼ同時期に、可憐なコスモスが見頃を迎えます。

  • ピンクの可愛さ: コスモスは、風に揺れるピンクや白の可愛らしい花で、赤いコキアの力強い美しさと対照的な、優しく柔らかな秋の風景を作り出します。

  • 日本らしい秋の風景: コキアの鮮やかさに加え、このコスモスが咲く風景は、日本の秋の穏やかさと色彩の豊かさを同時に感じさせてくれます。

公園は非常に広大で、一日かけて散策を楽しむことができます。園内を走るシーサイドトレイン(遊覧車)を利用すれば、体力に自信のない方でも、広大な敷地を快適に巡ることが可能です。

海と大地の恵み:茨城の秋の味覚を堪能

絶景を堪能した後は、茨城県の豊かな食の恵みを味わいましょう。茨城県は、北に関東平野(かんとうへいや)、東に太平洋を持つ、非常に食材が豊富な土地です。

  1. 秋の味覚の王様「あんこう鍋」と「常磐もの(じょうばんもの)」

茨城県の食文化は、海なくして語れません。

  • あんこう鍋: 茨城の冬の味覚として知られる「あんこう」ですが、水温が下がり始める秋から漁獲が始まります。ブヨブヨとした見た目からは想像できない、淡白で上品な身と、コラーゲンたっぷりの濃厚な肝(きも)を、味噌仕立てで煮込んだ「あんこう鍋(あんこうなべ)」は、肌寒い秋の夜に体を温めてくれる最高の郷土料理です。

  • 常磐もの: 茨城県沖から福島県沖にかけての海域は「常磐(じょうばん)沖」と呼ばれ、親潮と黒潮がぶつかり合うため、魚介類が非常に豊富です。秋は、脂の乗ったサンマや、イセエビ、アワビなどが獲れるシーズンです。新鮮な海の幸を、シンプルな刺身(さしみ)や寿司(すし)で味わってみてください。

  1. 日本の主食「お米」と「栗」

茨城は、農業も非常に盛んです。日本の主食であるお米や、秋の甘い味覚が豊富です。

  • 新米の美味しさ: 茨城県は、コシヒカリやあきたこまちといった品種の新米(しんまい)の収穫量が全国でもトップクラスです。秋の海の幸や山の幸を、ふっくらと炊き上がった新米と一緒に食べる瞬間は、日本人が最も幸せを感じる瞬間のひとつです。

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  • 和栗(わぐり): 茨城県は、日本を代表する栗の産地でもあります。秋に採れる「和栗(わぐり)」は、西洋の栗に比べて大粒で、上品な甘みと香りが特徴です。蒸した栗をそのまま食べるのはもちろん、栗ご飯や、栗を使ったモンブランなどのスイーツは、この時期の贅沢なデザートです。

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歴史と文化:水戸と納豆、そして焼き物

茨城の旅は、自然と食だけでなく、歴史と文化に触れることでさらに深まります。

  1. 徳川御三家の城下町「水戸」と「納豆」

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茨城県の県庁所在地である水戸(みと)は、江戸時代に徳川御三家(ごさんけ)の一つである水戸藩が治めた城下町です。

  • 偕楽園(かいらくえん): 水戸には、日本の三名園の一つに数えられる「偕楽園」があります。梅(うめ)の名所として知られますが、秋の紅葉も美しく、広大な庭園を散策することができます。

  • 納豆(なっとう): 水戸は、日本の伝統的な健康食品である「納豆」が特に有名です。納豆は大豆を発酵させたもので、独特の粘り気と風味があり、日本の朝食には欠かせません。外国人の中には苦手な方もいますが、ビタミンKやタンパク質が豊富で、ぜひ一度、日本の食文化の象徴として挑戦してほしい食べ物です。

“【茨城県】ご当地B級グルメ「納豆」の歴史や特徴を紹介!” もチェックお願いします▼▼

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2. 伝統工芸「笠間焼(かさまやき)」

茨城県には、400年近い歴史を持つ伝統的な焼き物「笠間焼(かさまやき)」があります。

  • 素朴な美しさ: 笠間焼は、厚手で丈夫な作りと、素朴で温かみのある風合いが特徴です。近年では、若手の陶芸家たちによって、モダンで多様なデザインの作品が生まれており、日本の現代アートとしても注目されています。

  • 体験と出会い: 笠間(かさま)の町を訪れれば、多くのギャラリーや陶芸工房があり、実際に作品を見て、気に入った器を旅の記念として購入することができます。また、陶芸体験ができる施設もあり、日本の伝統工芸に触れる貴重な機会となります。

茨城県の位置

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まとめ

ひたち海浜公園のコキアの旅は、日本の自然が織りなす「予測不能な美しさ」と、豊かな大地がもたらす「食の恵み」を同時に体感できる、特別なものです。

この秋、東京から少し足を延ばして茨城県を訪れれば、あなたの心に、鮮烈で忘れられない日本の秋の記憶が刻まれますよ。

“【茨城県】山と海に囲まれる茨城県のご当地B級グルメをご紹介”

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