
北海道の短い夏が終わり、秋風が吹き始めると、豊かな大地は収穫の季節を迎えます。広大な畑や冷たい海から、たくさんの恵みがもたらされ、北海道の食卓は一気に華やかになります。今回は、北海道ならではの秋の味覚を巡る食の旅へ、皆さんをご紹介します。
北海道の秋の味覚の旅は、まずは大地が育んだ主食から!
新米の輝き
北海道は、言わずと知れた米どころです。冷涼な気候と清らかな水、そして広大な平野が、美味しい米を育みます。秋に収穫される新米は、一粒一粒がふっくらと輝き、口に含むと優しい甘みと香りが広がります。
中でも「ゆめぴりか」は、そのもちもちとした食感と濃厚な旨みで、日本国内外から高い評価を受けています。「ななつぼし」は、ほどよい粘りと甘みがあり、冷めても美味しいのでお弁当やおにぎりにも最適です。この時期の炊きたての新米は、それだけでご馳走。何もおかずがなくても、何杯でも食べられてしまうほどの美味しさです。
北海道の道の駅や直売所では、生産者が直接販売している新米を見かけることができます。農家の方から直接、美味しい炊き方のコツを聞いてみるのも、旅の醍醐味の一つです。
ほくほくの宝石:じゃがいも
北海道は、日本で最もじゃがいもを生産している地域です。秋に収穫されるじゃがいもは、でんぷん質が豊富で、ホクホクとした食感がたまりません。定番の「男爵いも」や「メークイン」はもちろん、最近では品種改良も進み、個性豊かなじゃがいもが登場しています。
例えば、黄色い果肉が特徴の「キタアカリ」は、栗のように甘く、ポテトサラダやコロッケにすると格別です。また、煮崩れしにくい「インカのめざめ」は、まるでサツマイモのような濃厚な甘みがあり、フライドポテトにすると最高です。
北海道を旅するなら、ぜひじゃがバターを試してみてください。蒸したての熱々のじゃがいもに、北海道産のバターを乗せるだけ。素材そのものの美味しさを存分に楽しめます。
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海の宝石:いくらと鮭、そして旬のさんま
秋の北海道の食卓を彩る、海の恵みにも注目です。
旬の鮭といくら
秋になると、産卵のために故郷の川へ戻ってくる鮭は、脂が乗って身が引き締まっています。この時期の鮭は、シンプルに塩焼きにするだけで、その旨みが際立ちます。そして、鮭がもたらす最高の贈り物が、いくらです。鮭の卵巣を丁寧にほぐし、醤油などで漬け込んだいくらは、プチプチとした食感と、口いっぱいに広がる濃厚な旨みがたまりません。
炊きたての新米に乗せて食べるいくら丼は、北海道の秋の風物詩です。キラキラと輝くいくらの粒が、ご飯の上で踊っているようにです。また、鮭の切り身を焼いて、いくらと一緒にご飯に混ぜるはらこ飯も絶品。鮭の塩味と旨みがご飯に染み込み、いくらの濃厚な味わいと見事に調和します。
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さんまの塩焼き
秋の味覚として、もう一つ忘れてはならないのがさんま(秋刀魚)です。秋に北の海でたっぷり栄養を蓄えたさんまは、脂が乗って身がふっくらとします。
シンプルに塩を振って焼く塩焼きが一番美味しい食べ方。皮はパリッと香ばしく、中の身はジュワッとジューシーに。日本の多くの家庭では、内臓も一緒に焼いて食べます。少し苦味がありますが、この苦味が脂の甘みと絶妙なバランスを生み出し、食欲をそそります。大根おろしとすだちを添えると、脂っこさが和らぎ、何匹でも食べられてしまうほどです
森の香り:秋の味覚の主役、きのこ
北海道の広大な森には、秋になるとたくさんのきのこが収穫できます。
豊かな香り:きのこご飯と鍋
しめじ、舞茸、えのき、そして希少なシメジなど、数種類のきのこをたっぷり使ったきのこご飯は、香りが豊かで、ご飯がどんどん進みます。また、秋の味覚を一度に楽しめるきのこ鍋もおすすめです。温かいお鍋は、冷え始めた体を芯から温めてくれます。
北海道では、秋になるとたくさんのきのこが市場に並びます。地元のスーパーや直売所を訪れて、珍しいきのこを見つけるのも楽しいですよ。きのこの香りは、まるで森の中にいるかのような気分にさせてくれます。
北海道の秋の恵みは、単なる食材ではなく、厳しい冬を乗り越えるために自然がもたらしてくれる大切な贈り物です。広大な大地と豊かな海が育んだ食材は、どれも素材そのものが持つ力が強く、シンプルな調理法でも最高の美味しさを発揮します。
今回ご紹介した新米、じゃがいも、いくら、鮭、さんま、きのこは、どれも北海道の秋を代表する味覚です。北海道を訪れる機会があれば、ぜひこれらの旬の食材を味わってみてください。そして、もし訪れるのが難しくても、日本のスーパーやレストランで北海道産の食材を見つけたら、ぜひ挑戦してみてください。きっと、北海道の豊かな秋を感じることができるでしょう。